外傷について
Injury
外傷とは、転倒・事故・スポーツなどで体に強い力が加わって起こる「ケガ」のことです。整形外科では、骨・関節・筋肉・靭帯・腱・皮膚などのケガを幅広く治療します。
1
骨折
治療方法
- ギプスやシーネで固定して自然に治す
- ずれが大きい場合や関節に関わる骨折は手術で金属プレートやネジで固定
- リハビリ:固定中は関節が固まらないよう運動。固定が外れた後は動きや筋力を取り戻す練習
2
脱臼(関節が外れるケガ)
治療方法
- 関節を元の位置に戻す(整復)→ 静脈麻酔、伝達麻酔使用
- ギプスや装具で安静
- 何度も外れる場合は靭帯の修復手術
- リハビリ:筋力回復や関節の動きを取り戻す訓練が重要
3
靭帯のケガ(膝、足首、肩の関節に多い)
治療方法
- 軽い場合は安静や装具で治す
- 中等度の場合はギプス固定
- 重い場合は手術で靭帯を再建
- リハビリ:筋力回復や関節の動きを取り戻す訓練が重要
4
腱のケガ(アキレス腱や手足の腱が切れることがある)
治療方法
- 一部はギプスや装具で治す場合もある
- 手術で腱を縫い合わせる、再建が必要な場合もある
- リハビリ:出来るだけ早期から動かす練習をして固まらないようにする
5
筋肉や軟部組織のケガ(打撲、肉ばなれ、強い腫れなど)
治療方法
- 基本は「RICE(安静・冷やす・圧迫・挙上)」
- 重症では手術で損傷した筋を修復することもある
6
皮膚のケガ(すり傷・切り傷・皮膚裂傷など)
治療方法
- きれいに洗浄して感染を防ぐ(原則消毒はしない)
- 必要に応じて縫合(縫って閉じる)
- 皮膚を乾かさず、湿潤環境を保つ治療(湿潤療法/モイストヒーリング)を行うことで、治りを早くし、傷あとをきれいにする
当院では、生活に出来るだけ不自由がないように、お風呂に入れるギプスを使用しています。手洗い、シャワー、入浴、水泳が可能です。石鹸をつけて洗うことも出来ます。
捻挫や突き指について
「捻挫(ねんざ)」や「突き指(つきゆび)」という言葉は、よく耳にします。ですが、これらは必ずしも「軽いケガ」という意味ではありません。実際には、靭帯が切れている・関節がずれている・骨が折れていることも多くあります。放っておくと関節がぐらついたり、動きが悪くなってしまう危険があります。「捻挫」や「突き指」という言葉は、正確な診断名(病名)ではなく、症状や状態を表す“通称”にすぎません。
たとえば「突き指」と言っても、実際には
- 骨折
- 脱臼
- 靭帯損傷
- 腱の断裂
など、さまざまなケガが含まれます。

なぜ注意が必要?
「大したことない」と思って放置すると、関節の変形・動きにくさ・痛みの後遺症につながることがあります。
そのため、指や足首をぶつけたり、ひねって腫れた場合は、必ず整形外科で検査(レントゲンや必要に応じてMRIなど)を受けることが大切です。
